のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

介護帰省の始まりⅢ

一夜あけて翌日は、昨日対面した若いケアマネージャー二人の家庭訪問でした。今後どのようなケアプランを提供するのか?家族がすることは?など私も聞きたいことが山ほどあるし、母が急速に日常の様々なことがわからなくなっていく不安から早く逃れたくてしかたありませんでした。ケアマネージャーからはデイサービスを「医療」で受けられるので使いませんか?と提案されました。そういえば昨日の夕方、迎えに行ったときなにか言われたような気がしたけれどよくわかりませんでした。つまり通いでリハビリしたり、みんなでゲームやレクリエーションしたりを「介護保険」ではなく「医療保険」で利用できる枠があるから使いませんか?との提案でした。

 

母の通う施設は「老健」と呼ばれるところで、認知症専門外来に併設された通いと泊まりのできる施設でした。つまり通いのデイサービスを認知症の治療・リハビリの一環の医療行為の一つとして受けられるので、枠があるから使いませんか?とのことでした。医療とみなされる部分の自己負担は上限一万円で、給食やおやつやショートステイにかかる費用は除外されますが、すべて介護保険で賄うより安くなるとのことでした。この制度を利用するには役所に書類で申請して認可されなければならず、毎年更新するしくみでした。「重度精神疾患自立支援医療」というおもおもしい名称で、担当ケアマネージャーが必要書類の記入のしかたや提出などほぼ代行してくれたのでした。そのうえで母の度重なる徘徊に悩まされていた私達に「デイサービスを週3日にして、ショートステイを月1日」に組んでみてはどうかとの提案がありました。

 

終日自宅にいる日の母は起床して朝食が済んだ後はなにをするでもなくひがな1日中ぼんやり過ごしていて、テレビの内容もすでに理解できなくなっていて時折「あ、この人知ってる!」などとでたらめなことを言ったりするぐらいで、何かをしたいとか見たいとかの意欲そのものがなくなっていて、やろうと思うことのやり方を忘れているので靴の履き方脱ぎ方、トイレでどうすればよいのかとか、普通のことも忘れていっているようでした。そしてこの頃からトイレ介助が始まりました。終日3時間おきにトイレに行きたいかどうか訊ねて介助するのは、思っているより大変です。それに昼間することがなくてぼんやり過ごしていると体力を使わないので、夜眠くなりません。だから夜間徘徊にも繋がるし、それだったらデイサービスで他の利用者さんやスタッフさんに囲まれて身体を動かして過ごすほうが楽しく健康的です。なのでケアマネージャーからの有り難い提案を受け入れて、制度を利用することに決めました。

 

ここに至るまで社会福祉士の友人も二人いたし、訪問介護の仕事をしている友人、在宅介護のすえ見送ったという人など周囲に多くの事例を知る人に囲まれていたのに、私はまったくの無知でした。やはり当事者になってみて初めてわかることばかりなのですね。知りたいことをネットで検索するのも必要ですが、現実はそこにある回答どおりではないようです。そしていっきに色々な情報や制度にさらされて、昨日からぐったり疲れていた私はさらに消耗してしまいました。