のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

実家の片付け キッチン編

八畳ほどのスペースのダイニングキッチンに四人掛けダイニングセット、400㍑の冷蔵庫、食器戸棚、米びつつきレンジ台、テレビ台、高さ130㌢ほどの三枚扉の整理収納家具、冬になると灯油ストーブを置くのでモノだらけで動線確保もままなりません。

こんな住環境で身体が思い通りに動かない母の身体介助をどうやってするのでしょうか。ストーブに向かって一緒に転倒したら大やけどや火事だけでは済まないのではないでしょうか。とにかく人が通れるようにしないと!

 

流し台上の出窓は冷気を防ぐためにと裾が水道の蛇口に被さる長さの薄汚れたカーテンがかかっていて、隣のガスコンロに近くてとても心配です。火を使うそばに平気で布を置く神経がわからない・・・しかも灯油ストーブの温風を利用して洗濯物を乾かそうとして冷蔵庫の上から勝手口までの天井に洗濯ロープが渡してあって、ただでさえ狭苦しいダイニングキッチンはズボン下やら肌着が吊るされて見通しまで悪くなっていました。長年誰も訪ねてこない高齢者宅は、こんな危険極まりない状態で平気で暮らしていても誰も注意してくれませんし、当然自覚もありません。家の中は危険でいっぱいです。流し台下の扉や引き出しの中は焦げ付いたりさび付いた鍋や調理器具がびっしり詰まっていて、一つ一つ判断するのさえ嫌になるほどのガラクタの山です。いったいいつから開けてないんだろう。よくこんなところで調理したり食事したりできるなぁ。散々よそのお宅の散らかってる批判をしてたのに。

 

母の言動と行動のあまりな不一致さ加減に腹が立ってきました。と言ってもそれは遠い昔の認知症になる以前のことですからもうどうしようもないのですが。怒りの感情に使うエネルギーは片付けに回さないとすぐ消耗して息切れしそうでした。とにかく今現在生活しながらの断捨離は、日頃キッチンを使う父の考えも含んでしないといけないのでなかなか困難でした。台所用品はだいたい金属や陶器なので不燃ゴミに分別しますが、回収日が木曜日だけです。なのでそれに合わせて帰省して片付けします。これが案外きついのです。殆どが廃棄するものなのですが、日頃使っているものまでうっかり処分してしまうと父が困るし、ないとなるとまた余計な買い物をされるのがとても嫌なのでいらぬ神経を使います。

 

そして食器が好きだった母のコレクションと言ったらもう食器棚や作り付け収納に入りきらない膨大な量で、なんと廊下にメタルシェルフの棚を二つ並べてぎっしり詰め込み、裏玄関からトイレに通じる動線が完全に遮断されていました(カニさん歩きでないと通れません)これで在宅介護ってどう考えても無理なんだけど・・・通れない廊下って廊下のていをなしてないじゃないか。怒りを通り越した呆れとでもいうのでしょうか。どんな感情を抱いたにせよ、とにかくこのゴミ屋敷をどうにかしないことには、介護者も共倒れです。

 

あまりシステマチックに工程表など作ってやり始めてもけしてその通りにいかないだろうことは目に見えていたので、とにかく取り掛かれるものから手をつけました。まずは食器棚の中の醤油さしの中身を廃棄。いつ補充したのかわからない液体が常温であるのはまずいでしょう。しかも中身はめんつゆで、開栓した一㍑のペットボトル入りのものが4~5本冷蔵庫に並んでいます。「どうせ使うから」と母は言いますが、すでにまともな料理など何年もしてないのに消費するはずがありません。いったいいつ開けたのかもわからないボトルの中身も全部捨ててしまいました。ペットボトルの回収日も週一で木曜日ではないので、仕分けしなければなりません。流し台の引き出しには、お弁当など買った時についてくる割りばしがカビだらけで輪ゴムで束ねられていました。どんどん嫌な気持ちになっていきました。