のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

ケアラーズカフェⅡ

f:id:nozosan-net:20160920143733j:plain阿佐ヶ谷のケアラーズカフェを訪れてからすでに二年経過していました。遠距離介護はかなり板についてきましたが、地元の交流会にはなかなかタイミングが合わず出席できずにいて、介護仲間とも会わなくなっていました。月イチ第三水曜の午後に照準を合わせて帰省するのは難しいのでした。自分のやってみたいことをしよう!と始めた書道教室も水曜日で重なることが多く、介護生活の中でも自分を大事に扱いたい私はせっかくなので習い事を優先させました。(あとでそれでよかったと思う状況、心境の変化がありました)

 

私は遠くに離れて暮らしていても地元自治体の介護福祉政策などに精通していたかったし、交流会で仲良くなった人たちと繋がっていたい気持ちが強くありました。そして毎回でなくても、交流会にいつでも参加して自分の居場所が「ここにもある」のだと確認したかったのです。でも毎月都合を合わせるのが難しく足が遠のいていきました。

 

介護を気楽に話せる場や人を求めていたら、阿佐ヶ谷のケアラーズカフェで運営を学んだ方が柏市内で同様のカフェをオープンさせて間もないことがわかりました。送ってもらったケアラーズ新聞には、カフェで提供している美味しそうなランチやスィーツの写真が掲載され活動内容が綴られていました。これは行くしかありません。電話するとゴールデンウィークでしばらくお休みとアナウンスが・・・早く連休明けないかなとわくわくしながら数日過ごし、営業日の朝に「これから行きます」と電話してから出掛けました。

 

東武野田線に初めて乗って逆井駅で降りました。そこから徒歩17分なんて地元民しか知らない普通の住宅街ですから、カフェのオーナーに迎えに来て貰いました。ケアラーズ新聞で見たとおりのふんわりした女性でした。車に乗ってしまえばすぐで、田んぼ道沿いの一軒家に赤いカフェの幟がはためいていました。玄関を入ると和室の続き間をぶち抜いた空間にダイニングセットが4つ並んでいました。勉強会などもできる広さです。私の他にもランチを食べにきているお客さんがいました。

 

厨房は業務仕様にリフォームしてあり、ちゃんとカフェとして営業できる構造になっていました。メニューは一種類のみの週替わりでスィーツなどもありました。実は自分がケアラーでありながらも介護カフェをやってみたい!と思うところもあり、すでに実現している人の話を聞いてみたかったのでした。

 

ボランティアさん3名ほどが厨房を取り仕切りお茶とランチを運んできてくれました。実家のように寛げる空間で、酵素玄米など身体によさそうなランチを食べながら介護身の上話をしました。皆さん介護経験のある方ばかりで、千葉で話せる人のいなかった私はとても嬉しくなりました。オーナーさんは数年前にご両親を見送り、相続したこの一軒家でケアラーズカフェを開くため介護福祉士の資格まで取得していました。柏市地域包括支援センターと連携した活動をしていて、介護者が一番望んでいるであろう傾聴&お喋りなど行政サービスでは手の回らない心遣いがありました。

 

月曜は介護いろは塾、土曜は交流会や勉強会などカフェ営業日以外もフルで活動していて、心の拠り所としてほぼ毎日通う近所のケアラーさんもいました。私も頻繁に通いたいな・・・と思うような場所ですが自宅から若干遠く、私の住む自治体や地元自治体と介護制度が違って実務の参考にはならないのでした。けれどここで多くのケアラー仲間ができて、息抜きのバーベキューや食事会、私の誕生会なども開いてもらい「居場所」「サードプレイス」的な貴重な場になりました。そしてこの活動に賛同する地元の歯科医師さんなどもあらわれ、診療の合間に口腔ケアの勉強会を開催してくださったり、介護食(歯を失い硬いものが食べられない人用に工夫された食品)の試食会を開催したり、遠距離介護をなかなか共感してもらえない私にとって心強い場所ができたのです。