のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

介護家族の緊急連絡体制

f:id:nozosan-net:20160920143105j:plain民間の警備会社さんで防犯や緊急時に駆けつけてくれたり、スタッフさんに相談などできるサービスがあって利用しているお宅も多いと思います。だいたい月1万円ぐらいのようです。私が以前住んでいたマンションもガス会社さんと連動した防犯セキュリティがついていました。機器をセットしてから1分以内に玄関から出ないといけなくて、高齢者だとどうかな?という感じでした。

 

実家は田舎なので防犯が必要ないとはいいませんが、高齢者二人暮らしで母は認知症ですから、急に具合が悪くなって倒れ朝まで誰にも見つからなかったという事態だけは避けたいと思っていました。民間のは契約手続きも面倒そうだし高額だし何かないかな?と探していたら役場の広報誌で「安心コール電話」というものを貸与していることを知りました。

 

さっそく保健福祉課に問い合せすると、町内に住む3人の緊急連絡先を登録して(つまり連絡取れてすぐ様子を見にいってくれる人)機器の設置作業にシステム会社の技術者さんがくるとのことでした。なにごとも簡単にはいきません。まず3人のうちの1人は離れているけど私にしてもらい、あとの2人は近くに住む貸し衣装屋さんの伯母と、やはり近くの父の同級生に引き受けてもらいました。2人ともこころよく引き受けてくれました。

 

書類が揃い技術者さんの訪問日が決まり、私が不在だったので母の担当ケアマネージャーと伯母と父の同級生と保健福祉課の職員さんが工事と操作の説明に立ち会ってくれました。機器の設置場所は茶の間の電話スペースです。電話機の隣に電話機のような形の「緊急」「相談」という大きなボタンだけの機械と柱に24時間人感センサーをつけて、首からさげられる緊急ボタンの子機を二つ渡されました。緊急時ボタンを押せるかどうかはその時にならないとわかりません。いつだったか父が首から子機をさげて庭仕事をしていて間違えてボタンを押したら、町内の二人が直ちに駆けつけてくれて正常に作動していることがわかりました。毎月20日前後には役場から委託を受けたコールセンターさんから「お元気ですか」と連絡が入ります。その時に近況報告するもよし、世間話や困っていることを相談するもよしです。保健福祉課へ報告がいくようになっているようです。

 

年一回は電池が切れてないかの確認も兼ねて機器のメンテナンスにきてくれます。今年は私の在宅している時だったので、技術者さんに挨拶ができました。センサーは24時間人の動きを感知しないと問い合せがくるので、旅行などで長期不在の時はあらかじめ「相談」ボタンを押せば機械ではなく人が出て対応してくれるので、事情を話しておけばよいのでした。設置から二年ほどたちますが、私の帰省時にコールセンターさんから連絡がはいることもたびたびあり先方も私を認識してくれるようになりました。私が電話をとると「あ、娘さんですね?ご両親のご様子いかがですか?」と会話するようになり、先方にも私は普段は別居していること、母が認知症であるなどのデータは渡されているでしょうから、それ相応の近況報告をしたあと父に繋ぐと私もコールセンターのスタッフさんも父も情報共有できてとても安心なのです。ちなみにコールセンターには看護師さんも待機しているので、解決するわけではないけれど病気で気になることを気軽に相談ができる仕組みです。どこにいえばよいかわからない困り事にも、一応の道筋はつけてくれるので高齢で拠り所のない人には有難い存在です。

 

ちなみにこの「安心コール」は設置・月額料金は無料です。こちらから「相談ボタン」を押して通話したら通話料金がかかる仕組みです。ヒカリ電話だと落雷等で停電したら使えなくなるようですが、アナログ回線だと機器が充電されてればそのあいだは繋がるそうです。東日本大震災で4日間いっさいの連絡手段がなく親の生死もわからなくて歯痒かった私は、父の携帯電話と安心コールで二つのお守りを手に入れました。