のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

私はピアノ教室の大家さん

f:id:nozosan-net:20160929155108j:plain実家は昭和47年からピアノ教室の大家さんをしております。父の友人の奥様がご主人の転勤についていくのでお仕事を辞めることになり、でも何かお仕事をしたいとの意向で、当時習い事はピアノ!という時代だったので、ちょうど空き家もあった我が家でお教室をオープンしました。

 

奥様は元々音楽教師でした。黙っていても集客できた時代で、どこのオウチも応接室にアップライトピアノがあって上にフランス人形が飾ってあるのが鉄板でした。

 

まだ若かった祖父母がお教室の掃除や生徒さんの名簿管理をして、管理会社や講師とのやり取りをしてくれていました。私も年長さんから習い始めました。

 

当時はレッスンも完全予約制ではなく来た順番に受けるスタイルでしたので、ものすごく待たされる日もありましたが私が順番で優位になることはありませんでした。

 

さて時は流れお教室だった空き家は解体し、祖父母の住まいだった3LDKの平屋に移り、さらに現在は両親の住まいの一角がお教室になりました。冬場のレッスン後、暗い離れに火の元の始末や水道管が凍らないようタオルで巻きにいくなど、母の介護をしながらのわずかな手間を省きたかったので住まいと同じ建物に移動したのです。

 

元々の和室で母がすっかりゴミ屋敷にしてしまったので、数年かけて断捨離し家具もすべて処分して室内リフォームしました。去年はさらに床補強をし最新のグランドピアノを購入しました。 そして不思議なことに何年も教えにきていた先生がご主人の転勤で県外に引っ越すことになり、後任に小学校からの同級生がくることになりました。

 

えええっそんな偶然ってあるの!?小学生当時、ピアノの発表会であまりの上手さに衝撃を受けた生徒さんでした。すでに大人の演奏だったのです。

 

これはチャンス!父も娘の同級生が講師として教えにきてるのが自慢なようですし、私としては四週間のうち一週間滞在しますが残りの三週間の親の様子はメールと電話と親戚からの連絡以外リアルではわかりません。週一で教えに来る彼女は私の知らない親の様子を見てくれる有難い存在!(下心だらけでごめんない目黒先生)

 

彼女からは体験生徒さんの様子やお教室にテーブルがあったほうがいい、など忌憚ない意見を直接貰えますし、私も離れていながらお教室運営に積極的に参加でき父や管理会社さんにフィードバックし、帰省した時に駐車場案内パネルやフライヤーを配置したりできる限りのことをしています。

 

まさに相乗効果!高齢になるとなかなか異なる世代とお喋りする機会が減ります。介護をしてると尚更です。話すのはケアマネさんとヘルパーさんだけ、なんてこともあります。

 

そうするとどうなるか・・・介護者が煮詰まっていきます。認知症は今のところ治る病ではなく、様々なことがわからなくなるできなくなる、わからないできないをサポートするのが介護者の役割なのですが、自分の体調が良くない、精神的に不安定だったり、困りごとや悩みを抱えていても、こちらの状況お構いなしの失禁や徘徊でヘトヘトになり手をかけてしまう人も少なくありません。ニュースになるのはそういう方が多いと思います。

 

健康でないと介護は無理」が信条の私は、父のサポートをすることがそのまま母の機嫌や状態の良さにダイレクトに繋がることを実感しています。

 

図らずも祖父が残してくれたピアノ教室が若い生徒さん保護者さんを呼び、同級生が教えにきてくれて父とお喋りしてくれるので要介護者を抱えて行き詰らずに済んでいます。私が遠距離介護でなんとかやれているのは、そういった周りの人々のお蔭なのです。なので直接手を出している部分は少ないと思います。

 

生徒さんには普段の練習からグランドピアノで練習して、発表会で緊張せず演奏してほしい、音楽の楽しさを味わってほしい、使わない部屋をお教室にすることで地域貢献もしたい、若い人に出入りして貰って父とお喋りしてほしい、という私の願いは多くの人の協力で実現しました。地域の交差点を作りたいと漠然と考えていてどうすればいいか模索していましたが、なんとなく流れに乗って叶ってしまいました。