福の災いと為り、
災いの福となるは、
化極むべからず、
深測るべからざるなり。
今の幸せが未来の不幸の原因となり、今の不幸が未来の幸せの原因となる。その深遠な変化は見極めることも予測することも不可能だ。
ある老人の馬が国境を越えて逃げた。人々が慰めると「この災いが福にならぬとは限らないよ」と言った。
その後逃げた馬が駿馬を連れて帰ってきて繁殖した。老人は「この福が禍にならぬとは言えないよ」と言った。息子が駿馬から落馬して骨折した。老人は「この禍が福にならぬとは限らないよ」と言った。
翌年、国境で戦争が起きたが骨折した息子は徴兵を免除され生き残った。
この話を知ってから目の前のできごとにいちいち心まで持っていかれることが少なくなりました。
この老人の境地に至るにはまだまだ遠い道のりですが、生きていくってきっとこういうことなんでしょうね。