記憶を失う厄介な病という位置付けの認知症ですが音楽は覚えているものなんですよ。
もちろん歌詞は覚えていませんが母はよく「ふるさと」などの動揺を口ずさんでいました。
実家はピアノ教室をやっていますからレッスン日はどこかで聞いた曲がいつも流れています。
まだ自力歩行ができたころ音が気になったのか教室まで歩いていって中に入ろうとしました。
自分も参加したかったんでしょうね。
講師さんも、母と面識のない生徒さんも驚いたようで父が慌てて飛んでいって連れ戻したそうです。
機転を効かせれば、ちょっとだけここにいてもいい?などの提案もできたかもしれませんが、母が認知症であることを頑なに隠していた父でしたからそんなゆとりはありませんでした。
機嫌のいいときは鼻歌も歌っていましたし、施設でも音楽療法をしていて音楽の持つ力は侮れないのです。