認知症の母を介護して10年で卒業しましたが、そのあいだに父を見送り葬儀を出し、母を施設へ入所させ身元引受け人になりその母もあっというまにあちらへ行ってしまいました。
はじめは同居しながらの介護でしたが、このままだと私自身の人生が閉じていくと思い別居しました。
アルツハイマー型認知症の初期は指摘されてもわからないほど症状が軽く、老化によるただのもの忘れ程度です。
しかし記憶を司る海馬は萎縮していきますから、できていたことが次第にできなくなります。
定期的に通いながらお世話する方法をなんとなく父とのあいだで了承し、移動は大変でしたが気持ちが切り替えられるのでベターだったと思います。
しかし新幹線を使っても片道4時間ほどの道のりを着替えや身の回り品、介護の資料など持参して移動するのでどうしても身体に負担がかかります。
実家なんだから置いとけばいいのにという声もありましたが、片付けと並行しながらの介護で荷物を増やすのは嫌でした。
大型家具や大量の和服、生活用品、旅館並みの寝具類を処分しつつ、病が進行していく母のお世話をするのは非常に過酷でした。
実家と自宅は400km離れていますから気候も湿度も異なります。
次第に自分の体調がおかしくなっていくのがわかりました。
自宅に戻ればしばらく疲れが取れない。カイロプラクティックで歪みを矯正してもらう、カフェなどでのんびり過ごす、映画を観たりぼんやりする。
検診も受けてなにも見つからずに安心しても、しつこい肩甲骨周りの痛みが取れません。
体調に合わせた漢方薬を処方され鍼灸治療も受け、1日6000歩あるいて楽しいことを考える。
聞き飽きるぐらい繰り返されるアドバイスを守り食養生も取り入れる。
少しよくなってもすぐ戻る体調となんとか折り合いをつけながらの遠距離介護生活でした。