のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

庭仕事の極意に近づく

父から突如庭仕事を引き継ぎ去年は大変でした。

 

こんなことなら教わっておけばよかったなぁなんて思っても、遠距離介護しながら樹木の手入れまでやれませんでした。

 

さほど大きくない藤の蔓がくせ者で、花が終わったあたりからどんどん剪定していかないとあっというまにジャングルになるのを身をもって体験しました。

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切っても切っても伸びてくる蔓との格闘は心身ともに消耗し、加えてお盆や法要の支度や相続事務も重なり確実に私はおかしくなっていきました。

 

たった2ヶ月で膝丈まで伸びる雑草や、好き放題に枝を張り巡らすたくさんの樹木で混乱しっぱなし。

 

毎日少しずつ手入れしているから保てる。

 

そういうことなんですね。

 

毎月帰省して昼間の数時間作業したところで追いつかない。

 

不在中は近所の叔母夫婦が見える場所の草むしりや落ち葉集めをしてくれますが、それも限界があり甘えっぱなしというわけにもいきません。

 

地元の友人たちやシルバーセンターさんに依頼するタイミングと自分でやれる部分の境界がうっすらわかってきたのが最近で、ずっとひとりでやっていた父の労働量は大変なものだったことに気づきました。

 

それが本人の健康や足腰の強さの理由でもあったのですが、なにごとも度を超えると負担になります。

 

上手く人を頼り、地域のおつきあいや顔つなぎをしてほしいというのが両親の意向なのだろうと思うことにします。

防災訓練のための帰省で認知してもらう努力

母がアルツハイマーを発症してから地域のおつきあいができなくなりました。

 

そうでなくても人づきあいが下手で、本音で話す、弱みを見せるなどできない人でしたから余計に孤立していきました。

 

地方の田舎では地域のおつきあいが重要で、なかでも回覧板の班はひとつのユニットですからここは上手く立ち回れないと辛いのです。

 

私は遠距離介護をスタートして数年後から防災訓練のためだけに帰省していました。

 

前もって日程を父に確認してもはっきりしない返事で予定を立てにくく困っていましたが、今は区長さんと直接やり取りできて助かっています。

 

そしてこの時期はどんどん伸びる草木の剪定とも重なっているので2つの用事を済ませられます。

 

「あら、毎年ごくろうさんだね」と年配者から声がけしていただき、個人的に草むしりを頼んでいる方がお盆前に作業してくれるなどじかに会話できます。

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先祖代々おつきあいのある方々や同級生のご主人、うちのエクステリアを施工してくれた方などお世話になっている多くの人々に一度にご挨拶できる貴重な機会でもあります。

 

不在がちな私はたくさんの人に助けられて2拠点居住できているのです。

 

鳴り砂で寝食忘れる人生後半戦

先日帰省したおり仙台市営地下鉄荒井駅で「鳴り砂」の展示コーナーに立ち寄りました。

 

さほど興味もなくスルーしようとしたら鳴り砂研究会の代表の方がとても親切に説明をはじめて帰るタイミングを逃しました。

 

はるか遠い昔、父と宮城県の十八鳴浜(くぐなりはま)海岸で鳴り砂を踏んで遊んだ記憶が蘇りました。足で踏むとキュッキュッと砂が泣く珍しい海岸なのです。

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意外なことに鳴り砂海岸は宮城県に多く、日本一の鳴り砂海岸は島根県だそうです。

 

なぜ砂が泣くのか?

 

川の上流の花崗岩が風化して砂つぶ(石英)になり、川から海に運ばれ波によって打ち上げられ鳴り砂浜ができるそうです。

 

そう、鳴り砂の正体は石英(せきえい)だったんですね。

 

鳴り砂研究会の方は定年直前に鳴り砂の魅力に取り憑かれ、大学の先生を交えた勉強会や現地調査に出掛けてどんどん魅力にはまっていったそうです。

 

調査はよく晴れた日に足元の悪い砂浜を何キロも歩く体力勝負なので、これから行こう‼︎と急なお誘いに対応できる人がなかなかおらずほぼひとりで研究していたそうです。

 

最近女性がメンバーに加わったそうですが後継者不在で、学問としても確立しそうなのに常設展があるわけでもなくこのまま埋もれてしまいそうで残念です。

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海岸によって砂の音が違うことを聞き比べできたり、江ノ島海岸の砂は砂鉄を大量に含んでいるなどの体験コーナーもあり、スルーしようとしていたのに私もその魅力に触れてしまいました。

 

鳴り砂は汚れで鳴らなくなってしまうため、砂浜掃除でゴミを少なくしたり焚き火や花火の後始末をきちんとするのが大事で、私たちが使う日焼け止めクリームが悪さするなど教わりました。

 

それにしても鳴り砂の研究成果がウェブ上に残されてるわけでもなしもったいないですね。

 

食事介助用エプロンどれがいい?

自分で箸を使って食べられなくなると食事介助がはじまります。

 

お手伝いしてもボロボロこぼすので介護エプロンを使うのですが、ドラッグストアでは種類が多くどれがいいのかわかりません。

 

ナイロン製で汁物をこぼしても衣服まで染みないもの、こぼした食べ物を床に落とさないよう裾がポケット状になっているもの、スモッグのように袖まで通して着るもの。

 

はてさて、どれにすればいいか。

 

経験ある方なら周知の通り、介護用品や福祉用具というものは案外割り高なんですね。

 

オムツなどは医療費控除に使えますが、レトルトの介護食やエプロン、着脱しやすい肌着は除外されます。

 

それでも必要品ですから試しては失敗しまた次のものを探すというトライアルアンドエラーの日々です。

 

私もナイロン素材のものをいくつか試しましたが、毎食後に洗ってもすぐ乾かないとかあり、ガーゼ素材の手ぬぐいを100円のバンドつきフックで首に掛ける方式に落ち着きました。

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洗い替えはいくらでもある(なんと敬老会で貰ったものでした。粗品のタオルでもOKです)すぐ洗って乾いて気兼ねなく使える。

 

フックがなければ大きいクリップ2個に紐を通してタオルを挟んで首から掛けてもいいでしょう。

 

ちょっとしたアイデアで介護も楽になりますね。

 

 

新幹線では多様な人と隣り合わせる

いつも停車駅が3つだけのこまちに乗ることにしています。

 

乗車時間はなるべく短いほうが楽ですから。

 

八重洲の大丸でお気に入りのお弁当を買って大宮過ぎたあたりで食べ始めてひと眠りするともう仙台です。

 

先日、大宮すぎてかなり経過してから高齢のご婦人が案内係に誘導され私の隣にやってきました。

 

自分の座席を探せなかったようです。

 

あまり乗り慣れていないようでリクライニングやフックの使い方をお手伝いしました。

 

「向こうの2つ空いてるところは座っちゃいけないんでしょう?」などの質問をしています。大きな荷物を抱えているので一番後ろのスーツケース置き場にどうぞと勧められても遠慮しています。

 

「どちらまで?」と訊ねると「仙台までなの」「あら私も」

 

誰とでも雑談できるのは年の功です(笑)

 

「もう何十年ぶりでよくわからなくて〜」

 

「ご旅行ですか?」

 

「これ主人なの」

 

大切そうな荷物はご主人のお遺骨でした。

 

聞けば塩釜にある檀家になっている寺院へ納骨へ向かうのだとか。

 

「ごめんなさいね、こういうの嫌でしょう?」

 

いやいや、そういうおはなしはちっとも嫌じゃありません。

 

私もこの2年、介護から看取りそして相続のかさばる重要書類を持ってずっと往復していますからね。移動が楽じゃないのは重々承知しています。

 

実印からなにから毎回持って歩くのはいつも緊張して気が休まりません。

 

地元の役所や金融機関でどのタイミングでなにを急に使うかわかりませんからいつもハラハラしていました。

 

この大勢のなかにも私と似た状況の人がいるかもしれません。

 

そんなことをうつらうつら思っていると、朝はタクシーも捕まらないほど土砂降りだったのに仙台に到着するころは雨も止み陽射しも出てきました。

 

あのご婦人は無事に塩釜で納骨できるといいなぁと思いながら見送りました。