のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

初めての受診

年の瀬も押し迫った頃、父が近くの老健併設の認知症外来に予約を取りました。やはり薄々おかしい・・・と感じていたようです。

何より受診する事で「もしかしたら?」「いや違うかも」と逡巡する事から解放されたかったのかもしれないし、はっきり認知症だと診断されればそこから先の対応策も取れるので、どっちつかずの不安な状況にいつづける事から脱却できます。

電話した時点で年内の予約は既にいっぱい。年明けすぐの日にちを伝えられその日を待ちました。

 

いよいよ受診の日、よく行くスーパーの近くで建物だけは知っている老健の中に初めて入りました。開放的な間取りで玄関から大きなホールまで間仕切りなく、利用者さん達がスタッフさんに誘導され楽しそうにレクリエーションをしていました。玄関から左折したところが診察室。当時は有難い事に、あの夏のセミナーで講演して下さった認知症専門医が

常駐していました。

 

受付で手続きを済ませ椅子にかけて待っていると中から母の名が呼ばれました。三人ではいりました。

まずは簡易テストです。口頭で今日の日付、季節、今の首相名、今朝の朝刊の一面記事など訊ねられます。母の答えはどれも曖昧でした。そして筆記ですが「10時10分の時計の絵」→数字の配列がおかしく13時まであり、しかも針の位置が微妙。次に「立体の箱の絵」→上村松園のようになりたくて日本画教室まで通っていた母の書く箱はなんだか解りません。

 

ドクターが母の手を取って「私と同じ動きをして下さい」例えば薬指を握ったら同じ動作をする。頼りなく自身なさげです。

母だけ別室のナースの所へ案内され、何やら別のテストを受けていたようです。ドクターは我々に「脳のCT、MRI撮影をしましょう。ここではできないので、提携先を紹介します。その画像を見ながら判断しましょう。」と説明されました。結局その日のうちに結果は解らず、それでも最初の一歩を踏み出した一日になりました。