以前よく通っていたケアラーズカフェ(介護している人が集うカフェ)で、脳出血の後遺症で寝たきりになったお母様を20年近く在宅介護している方と知り合いました。
聞けば痰の吸引や摘便まで自分でやれるようになり、自治体の看護師さんたちが見学にくるほどのスキルだそうです。
痰の吸引は看護・介護の線引きがあり看護師さんならいいけど介護士さんだとできないとか決まりがあります。
その人に「そのスキルもったいないからどこかで発信したら?」と持ちかけましたが誰が見てるかわからないところで発信するのは怖いとのことで断られました。
本当は私が一番その情報がほしかったのです。
なぜならいずれ自分もそうなることが予測できていましたし、それなら前倒しで知っておいて損はない知識のうえ、体験している人と友達になれたら相談や質問もできると利己的に考えていました。
まぁ、そう都合よくはいきませんよね。
現実は母は完全看護で痰の吸引をしてもらえて私が覚える必要などありませんでした。
しかしもし在宅でみなければならなかったら、痰が詰まって誤嚥性肺炎になるかもしれない親を前にただうろたえるだけだったでしょう。
3時間ごとに40cmほどの管を鼻から入れておえっと苦しそうになるのを、親族が危篤のときなんども見ていました。
私はとりあえずその時できうる限りのことはしたいと考えていたのです。