のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

ケアネージャーとの関係

母の担当ケアマーネージャーは現在の方で四人目です。介護交流会などでよく話題にのぼるのが「担当ケアマネとの関係」です。みなさんそれぞれの言い分があります。利用者さん側の希望がすべて通るはずもないので、どこかで互いに譲歩しなければならない場面もあります。そんなときも日頃からの関わりを積極的に持っていれば、行き違いや互いの事情なども把握しあえます。

 

幸いにも最初の若い男性ケアマネさんはよく気づく、けれど押しつけない方で、介護勉強会などではなく本当に家族がお世話になることで初めて職業的に接した方でした。母がまだ要介護1だけれど徘徊に散々悩まされて、本格的に遠距離介護がスタートして私は不安だらけでした。

 

初めてのショートステイで慣れない環境で泊りを経験した母は早速失禁して、お世話してくれるスタッフさんともうまくやりとりできず、自分の気持ちも表現できず混乱したまま自宅に戻ってきました。自宅と施設の間取りが違うので、帰宅してもなぜ違うのかわからず落ち着かない様子でした。そこへ父が矢継ぎ早に「スリッパを脱いで茶の間に入れ」だの今いわなくてもいいことでなじるので、ますます混乱していきました。

 

自分が望んでショートステイに行ったわけでもないのに、ようやく帰宅したら間取りがわからなくなり、スリッパがどうこうとどうでもいいことをいわれたら徘徊したくもなります。翌日ケアマージャーともう一人ショートステイ部門を統括しているやはり若い男性ケアマネージャーが二人で訪問してくれました。

 

そして「医療保険」を使っての「通院」扱いでデイサービスを週3日にしましょうと提案してくれました。父は色よい顔ではありませんでしたが、度重なる徘徊でもう介護サービスを利用せず家でみるなど限界だと思ってはいたようです。

 

「重度精神疾患自立支援医療」というおもおもしい申請書を出して認可されると「医療」扱い部分を自己負担1割で受けられるという制度でした。当てはまらないものは毎日の給食やおやつ、ショートステイにかかる費用などです。

 

父の場合は金銭問題ではなく、自分の目の届かないところへ母を託すのに踏ん切りがつかず、ぐずぐずしているうちに母の病状が進行してしまいどうすればよいか手に負えなくなった、というのが正直なところだと思います。そういった「ご家族様」の背中を押すのもケアマネさんの仕事なのだと思います。

 

切り口は自己負担を軽くする制度からでしたが、あの時のケアマネさんが提案してくれたおかげで今があると思っています。その年の年度末で退職した彼は、結婚相手の方のおうちが経営している介護施設でお仕事をされていると聞きました。私はちょっとしたお餞別を渡しました。あの時の状況に最適な提案をしてくれた彼には本当に感謝していて、いつも忘れることはありません。