ぬいぐるみは処分しよう!と決めればあとは動くだけです。厄介なのは由緒ありげなモノたちです。(例 雛人形 こけし(宮城県はこけしが伝統工芸品)
絶対いらない、飾らない、欲しい人なんているはずないのになんだか躊躇してしまいます。高かった、思い出が、有名な工人さんの作品だからという、判断を鈍らせる昭和のマジックワードが頭をかすめます。
雛人形は当時八段飾りを持ってる友達はいませんでした。なのでちょっぴり自慢でもありました。今はどうでしょう。ひな壇の組み立ては一時間でできればいいほうです。そこから緋毛氈をしいてずれないようピン留めして、お人形の数の台座をお手本通りに配置して、その上に内裏雛から順番にセットしていきます。
三人官女のお道具とか、右大臣左大臣の烏帽子、弓、刀、五人囃子の楽器の持ち方・・・水屋、菱餅、茶道具、牛車、橘、桃左右どっちだ?もう嫌・・・
これが現実ですね。今は内裏雛だけとか住宅事情に合わせたコンパクトなものが多いかもしれません。飾っても桃の節句を過ぎたらすぐ片付けないとお嫁にいき遅れるなんていわれてますから、飾る時と真逆の作業を早々にしなければなりません。
そんなこんなで実家はピアノ教室をやっているので、生徒さんの目につくよう内裏雛だけ玄関に飾りあとはお別れしました。
こけしは西荻窪にこけしカフェをやっている方を見つけて、引き取ってもらえるかどうか、供養の方法など写真つきで問合せしましたが「人気のあるお顔じゃないですね」そして地元の鳴子こけしのイベントで供養してくれる情報を戴きましたが、そこまでの気力もなく少しずつお別れしつつあります。
何十年も面倒で放置していたモノを手放す時の気苦労や消耗は、やった人でないとわかりません。埃や蜘蛛の巣だらけのがらくた処分なんて自分ならやりたくないはずです。
かといって欲しいものを何も買わずに過ごせという話ではありません。役割の済んだものと、タイミングを見てお別れするということに尽きます。人にやらせてはいけません。
ごみ処分はどんどん有料になっていきます。捨てるだけなのにお金払うの?ってそうなんですよ。3DKのアパート丸ごとからっぽにするのに60万円とテレビで見てからえらいこっちゃ!とやり始めました。
母を遠距離介護しながらで、格闘以外のなにものでもありませんでした。なのでこれから介護生活がスタートする人もまだわからない人も、是非身の回りのモノと向き合う時間を作ってみてほしいのです。
私は実家が東日本大震災で被災した経験から、避難する時も持っていきたいと思うかどうかを基準にしています。おそらく命以外なにもいらないのではないでしょうか。