母の納棺に若くて可愛らしい女子がやってきました。
重いメイクボックスを携えて、とてもきちんとした対応でした。
湯灌からメイクまでそばで仕事を見せてもらい、どうやって勉強するのか?など質問すると
「学校などがあるわけではないので、師匠に弟子入りして学びました」ということでした。
ええっ、そうなんだ‼︎
なぜこの仕事を選んだの?と聞くと
高校時代の彼氏がドリフト事故で亡くなり、そのときの納棺師さんの仕事が素晴らしくてこの世界に入りたいと思ったのだそうです。
事故死した彼氏は傷もあり、それらを綺麗にカバーした死に化粧に感動したそうです。
この仕事をするにあたって親御さんの反対はなかったけれど祖父母がよく思わなかったそうです。
でもこの仕事のお陰で誰しも最期はお世話になる納棺ができるわけですからね。
母は旅立ちの着物を用意していたので、死後硬直でこわばった身体にうまくあてがいながら袖を通してくれました。
なかなかの技術でした。
動いてくれない固まったご遺体相手に、上手に着付けていきます。
きっと相当練習したんだろうな。
人によって硬直具合や体型も違うし、旅立ちの衣装も既製品なら着せやすいけれど、特殊なものだと難しそうです。
長く生きているとお別れの場面に遭遇する機会が増えて、今日楽しくお喋りした人とも明日はさよならかもしれないなと思うようになります。
肉体を失っても魂はあると勝手に思っていますが、それは元気な頃にどんな接し方をしていたかにもよるでしょう。
周囲の人と行き違いや揉め事は減らし、すっきりと後悔少なく日々を過ごしたいものです。