のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

不仲な親と和解した瞬間

村上春樹氏が幼少期を綴った雑誌が発売されていますが、そのなかでお父様との回想シーンがあります。

 

私はハルキストではありませんが、どんな幼少時代を送りなぜ父親と絶縁状態になったのか興味があり読んでみました。

 

戦争によって志半ばで夢を諦めざるをえなかったお父様は春樹氏に対し、こんな平和な時代に好きなだけ勉強できるのになぜ勉学に励まないのか口惜しく思っておられたようです。

 

お父様の慢性的な不満とその期待に応えられない自身の慢性的な痛み(怒りを含んだ痛み)を感じるようになったと綴られています。

 

どこの家にもあるはなし、と片付けてしまうまえに背景の複雑な事情も加味しなければなりません。

 

職業作家となってからも双方の軋轢は強くなり、関係の再編成に取り組んでいたら違っていたかもしれないと続きます。

 

春樹氏が60近く、病床のお父様が90歳になるころぎこちない会話で和解のようなことをしたとあります。

 

文中にありませんが「まにあってよかった」と思ったんじゃないかな、と勝手に想像しています。

 

関係性をこじらせたまま親を見送るのは非常に後味悪く、自分に落ち度が見当たらなくても後悔するだろうと思います。

 

これまでなんどか書いてきましたが私自身も親と長年不仲で、しかしどこかのタイミングで和解なり話す機会を作らないと「ソリが合わなかった」と無理やり結論づけてしまいそうで、それだけは嫌だったのです。

 

さいわい?母が認知症を発症し介護を通してこれまでの黒い感情を少しずつ清算していく作業ができて、自分なりに関係性を総括できたと思っています。

 

うまくいっていない家庭などたくさんあるし、自分だけが特別ではないと知ること、他の人はどんなふうに折り合いをつけているのか参考になればと思います。