元気な頃の母は自分の両親が眠る菩提寺のお墓まいりをしてほしいと話していました。
母が介護生活になるかなり前のことを私は覚えていました。
自分のことも実家のこともわからなくなり最終的にどんな気持ちだったか推測するよりないのですが、実家の弟夫婦も高齢かつ認知症であることを案じていたかもしれません。
お盆のある日、実家から1時間ほどの菩提寺へ行き叔母に場所を問い合わせながら階段をのぼると祖父母の戒名が刻まれたお墓を見つけました。
「大きなカヤの木の横」が目印です。
もう何年来てなかったかなぁ。
立ち寄る時間を取れずにいるうちに母の遠距離介護に通う生活がはじまり、相次いで両親が亡くなりますます多忙になりました。
その日は朝から霧雨で涼しく、もうこれを逃すとチャンスはないなというほどの日よりでした。
お参りの時間帯だけ雨が止んで本堂の中は涼しい風が吹いていました。
幼少の頃よく家族でお参りにきて、母の実家に立ち寄ると祖父がお小遣いをくれたものです。今で言う「お盆玉」ですね。
行ってみれば案外すんなり事が運びいつものタイミングの良さによるものかと思いますが、長年の気がかりが晴れてすっきりできました。
うろ覚えだった道のりもはっきり確認できて、これからは不安なく来れそうです。
私のルーツでもある母方のお墓まいりはもっと気楽に祖父母に会いに行く感覚でいいのかなぁ。
お墓まいりというとついお供えやお線香やら支度でもたつき気力のないときは後回しにしがちですが、あまりたいそうに考えないほうがよさそうです。
気軽にふらっと立ち寄るぐらいでいいかもしれません。