春のお彼岸
実家は古いお寺の檀家でその地をおさめていた方々のお墓があります。父に聞いて知ってはいたものの末裔が近くに暮らしているとはつゆ知らず、お墓参りの帰りにお掃除している人に話しかけるとそこのお宅の方でした。
戊辰戦争時の仙台藩奉行の末裔でふつうにお喋りできる気さくな方でした。今は一般庶民ですしね。聞けば一族の墓地が広すぎて管理するのがその方ひとりで手が回らない、保存会の人々や住職が維持管理を手伝ってくれるけれど竹藪が迫ってきて地下茎が地上に出てきて困っている。
供花が案外高くてお墓の数だけ買うと10000円ほどかかる。他にお茶やお供え菓子などもあり想像以上の負担だそうです。本家の人も途絶えて遺されたその方だけが草刈りなどしているけれど高齢ですからね。息子さんたちは興味がないようで後継者を絶やしてはいけないと夜も眠れないそうです。
地方の田舎あるあるだけど由緒あるお宅だと墓じまいすら許されませんしね。ひとつの墓石にまとめようにも苔むした古い墓石の処分代、戒名碑にすべての人のお名前を刻むにはいったいいくらかかるのか。誰がどのように負担するのか自分の一存では決められません。
初めて会った私にいろんなおはなしをして少しは気が楽になったかな。都会の若い人には想像すらつかない墓守りの大変さを理解してもらえるといいのですが。立ち話している途中おそらく歴史ファンの方がお焼香しにきていましたからね(墓マイラー)知る人ぞ知る場所であることは間違いないのですが。以前行った兵庫県三田市の九鬼家のお墓も現当主は都内暮らしでどのように管理されているかわかりませんでした。