相続義務化
全国の空き家は約900万戸、日本の総住宅数は約6500万戸だから全体の13.8%が空き家で世田谷区だけで50000戸もあるそうです。相続登記が義務化されたのが2024年。それ以前の物件では所有者が亡くなったあと名義変更されていない、相続人がわかっても連絡が取れないとか認知症で放置されたままだったりします。しかし遡って手続きしなければ過料を払わなければなりません。当人もどうすればよいのかわからない、わかりながらどうにもできず年月がたってしまうなどあるあるですよね。
世田谷区は固定資産税も高くできれば払いたくない遺族も多いのでは。そこに暮らすと生活コストもあがります。親から相続した建物は古くリフォームが必要だったり人気のエリアが住みやすいとは限りません。こないだ特集されていたお宅は旗竿地(旗のように狭い間口の奥に住宅があり重機も入らない)かつ廃墟で特定空き家(放置不適切)として区から指定されていました。

解体撤去に応じなければ行政代執行されいったん自治体が費用を払います。所有者へ請求し回収する流れだそうですが行方のわからないまたは認知症で判断能力のない人から回収できるのか、そもそも支払い能力があるのかもわかりませんよね。結局はみんなの税金が投入されっぱなしになるのでは。そこまでの見通しは戦後の住宅政策のころはなかったでしょう。都合よく人口は増えない、新築はどんどんつくられていく、それに合うマーケティングをしてこなかったツケを国民全体で払うことになります。
ちなみに私が2拠点暮らしをしているのも相続した家の維持管理のためです。さいわいピアノ教室など賃貸しているおかげで私不在でも人の出入りがあって風通しできています。自治体から毎年「家屋敷税」(住民票のない持ち家に対する納税)のお知らせもきます。空き家になりそうなら早めの対策が必要ですね。