目先の金銭
いや、わかるんですよ、ちょっとでも収入につなげるために資格をとるとか労働時間を長くするとか昇進するとかね。自分もながくそれが正義と信じていましたから。だからこそ周りには同じ文脈の人しかおらず嫌な環境にみずから居続けるという出口のなさでした。思い切ってべつの仕事に転職したらみんながぬるく感じてそれまでの価値観から卒業できずにいました。自分で選んでおきながらなにいってるんでしょうか(笑)若いころのあるあるかもしれません。
有名企業で仕事してる自分が好きなのであって心身削ってそこにいたいわけじゃなかったんですよね。己と対話できず世間の評価に寄せているのだから齟齬がおきてあたりまえ。ストレスで得た収入はストレス発散でなくなります。高収入の人が意外とお金がないのは嫌な仕事のご褒美と称してちょっとしたものから高価なものまでつい買ってしまうから。ストレス源がなくなればその物欲も消えます。

ボディケア、睡眠、自炊などで己をていねいに扱う前にほしいと思わされたものを買い、はやりのスポットにでかけやヨガや瞑想でなにかした気になっていたんですね。それ系のスクールにかよってみたり講師をつとめたりもしていました。まさに「ごっこ」。目先の欲望まかせの暮らしはなにも積みあがるものがなく消耗していくばかり。今ならわかりますが渦中にいればみえなくて当たり前。この先はひとつひとつ大事に向き合うことなのかな、なんて思う年の瀬です。