うわさはすぐ広まる
地元では介護者の会が月1で開催されていて在宅で母を介護していた当時は認知症のはなしができる唯一の場でした。役所から予算がついているので広報誌にも日程が掲載され保健福祉課の職員さんも同席します。毎月テーマがあり外部講師をよんでおはなしを聞いたり外へお花見に出かけたり介護食の講習会など気晴らしにちょうどいい感じでした。
参加者はみな私より20歳以上うえの人ばかりで悪気なく田舎特有の身元調査をして「ここで聞いたことは口外しないでください」の職員の言葉など聞いちゃいません。私が地元に戻っていて母が認知症だということは勝手に拡散されていました。しかも母は暴れて手がつけられずどこの施設でも嫌がられているというおまけつきです。
まちがってますよ、と訂正して歩くのも手間ですからほっておくよりないんですが穏やかな母を面白おかしく嗤われて不愉快でしかなかったですね。いずれも母に会ったことすらない人が噂をしていて地域社会に幻滅したものです。こんなだから認知症の相談をしたい人は来ないんです。噂していた人たちは自分はそうならないとでも思ってるんでしょうか。老いは誰にでも平等でどんな形でやってくるかわかりませんよ。