半導体頼み
地元宮城県で世界第3位の台湾半導体メーカーの工場進出計画が頓挫しました。SBIさんとの合弁企業と県が調印し「破壊力抜群の誘致」と知事みずからノリノリでしたが補助金頼みの事業でこの先10年操業継続できるかどうか雲行きがあやしくなり白紙撤回となりました。工場用地はトヨタ自動車など大手さんのラインがたくさんありそこへ半導体メーカーがくるため便乗したい企業などから問い合わせもかなりあったようです。
知事は学校や社員住宅、スクールバスの整備まで想定しており飲食店など関連施設もふえて地域が発展するのではと期待が高まっていました。私もその企業の社債が購入できないか密かに調べたりしていたぐらいです。しかし計画が白紙になったことで豊かな自然やきれいな水が汚染されずに済んだと考えることもできます。おいしい思いの陰にあるデメリットまで見通せるか大事ですよね。

これはすでに半導体メーカーの誘致に成功した熊本県菊陽町でさまざまな問題が噴出していることで他人事ではないとわかります。農地を手放さざるをえなくなった農家さん、地代があがり個人経営のクリニックや薬局なども撤退しており地域住民からどこでみてもらえばいいのか不安という声があがっています。熊本はむかし水俣病で大変な公害をだした土地ですしね、環境汚染のリスクはわかりながら引き受けたたんでしょうか。皇后陛下のおじいさまがチッソの社長だったことをお若い人は知らないでしょうけれど30年前のご成婚当時ちょっとざわついた記憶があります。
地方の衰退を食い止めるためよかれと思って企業誘致しても未来のことはわからないし不都合に目を向けられることも少ないですからね、おいしいだけのはなしはないと思っておくのがいいですね。