夕方5時ごろデイサービスの車がやってきて母を降ろすと次のお宅へ向かいます。
ひととおり今日の出来事や母の状態の報告を受けて、介助しながら自宅へ入るとそこからはすべて家族だけの責任になります。
これがもし母と2人きりだったら私はどうしてよいかわからず逃げ出していたでしょう。
長年連れ添った父がいたからどうにか自分だけの用事や家事に集中できたのです。
母が帰宅すると見守りが必要です。
たとえ同じ部屋にいてテレビを見せていても内容が理解できずすぐ飽きて手持ち無沙汰になります。
そうなるとテーブルのうえをいたずらしてみたり、こたつふとんをさわってみたり、その拍子に座椅子から落ちて転倒したままだったりします。
転倒されるとなかなか起こせず途方にくれることもありました。
ダイニングキッチンへ誘導するも母がその気になってくれず、作りたての料理が冷めていくのを傍観するしかない日々でした。
私にとって早めに夕飯と後片付けを済ませ寝かしつけることがゴールでしたが、母にしてみれば自分がしたいように過ごしたいのですから噛み合いません。
早めにオムツ替えして寝室へ連れて行けばその後は私と父の自由時間で、テレビを見ながらお喋りしたり交代で入浴してその日の介護疲れをねぎらいあいます。
うまくいけば翌朝デイサービスへ送り出す段取りも楽になり息抜きの時間も取れます。
こんな生活が毎日。
私は月に1週間ぐらいしかいませんが父はずっと。
介護の他に自分の通院、フルートレッスン、広い庭の管理、野菜も作っていましたから疲れますよね。
夜に家を空けられないから大好きな飲み会も行けなくなり、それまで当たり前だった楽しみも我慢しなければならなくなりました。