若い頃ジュラシックパークの映画が公開されましたが、それよりずっと以前の小5の春にシャーロックホームズの作者コナンドイルの「失われた世界」を読んで以来の恐竜ずきです。
とにかく「失われた世界」のインパクトは強烈でした。
ケルト人のイギリス青年が南米大陸のある場所へ大学教授らと一緒に出かけ、生きた恐竜を捕獲して帰ってくるというあらすじでしたが、本当にそこへ行ってみたくなる内容でした。
その場所はとてもリアルに描かれていて、草食恐竜の生態や同じ地域に暮らす少数民族と上手く住み分けされた世界でした。
しっかりとした学問的裏付けと大人のアドベンチャーが一緒になったような楽しさで、この本はいつもそばに置いていました。
主人公の青年が自分が発見した湖に婚約者の名前をつけて、翼竜を捕獲してイギリスまで連れ帰り一躍時の人となります。
何カ月ぶりかで婚約者の女性のもとへ会いに行きます。
未開の土地で翼竜を捕まえてヒーローになったのですから鼻高々です。
すると女性は以前と違う姓になっていました。
え、どうして?
青年はあまりの出来事に驚愕します。
女性は「だってあなたは私をおいて地球の裏側へ行ってしまったんだもの」
ちょうど入籍した男性がその場にいたので、どんな偉業を成し遂げ彼女を手に入れたのか問いただし職業を訊ねます。
すると男性は「法律事務所の事務員をしています」と答えます。
彼女は長い間ほおっておかれ時の人となった青年より、身近で優しい彼を選び家庭を築いていました。
というオチが小学生当時の私にはあまりな結末で大人ってそうなんだ、冒険と引き換えにするものが大きすぎる‼︎とショックを受け、以来恐竜展や図録を見るたび切なくなるのでした。